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広く”伝わる” グリーンシフトで、渋谷から未来を変えていく!
SIW CONFERENCE |「グリーンシフトが描く都市ブランドの未来 ~シブヤのビジョン、グローバルスタイルへ~」
日付: 10.30 (木)
時間: 15:30 – 16:30
場所: 渋谷ストリームホール
<登壇>
– ダイキン工業株式会社 空調営業本部 副本部長
松田哲
– ダイキンUSコーポレーション Director, Market Transformation and Advocacy
檜前亮平
– 国土交通省 都市局都市環境課 課長補佐
今佐和子
– 東邦レオ株式会社 事業戦略担当グリーンテックプロジェクトリーダー
小山田哉
– 渋谷女子インターナショナルスクール校長
赤荻瞳
– 渋谷未来デザイン コンサルタント(ファシリテーター)
久保田夏彦

「グリーンシフトが描く都市ブランドの未来 ~シブヤのビジョン、グローバルスタイルへ~」では、ダイキンの松田哲さん、ダイキンUSの檜前亮平さん、国土交通省の今佐和子さん、東邦レオの小山田哉さん、渋谷女子インターナショナルスクールの赤荻瞳さん、渋谷未来デザインの久保田夏彦が登壇。超酷暑時代の都市環境改善と新しい環境文化の創出について意見交換を行いました。

セッション冒頭では、渋谷未来デザインやダイキンを中心とした産官学民連携による「渋谷グリーンシフトプロジェクト」の活動が紹介されました。松田さんは2024年の取り組みとして、ダイキンが関わる「室外機の芋緑化」による約5度の温度低下や都内でのクールスポット創出について報告し、今後の挑戦としてビル屋上や空きテナントでのアーバンファーミングの可能性についても言及。檜前さんは食を通した脱炭素と植物工場のイノベーション構想を示しました。

また小山田さんは、2027年に横浜で開催されるGREEN x EXPOの概要、今さんは2024年7月に新設された国土交通省都市環境課の取り組みをそれぞれ紹介しました。
続いて、都市環境改善の具体的な取り組みとして、熱の有効活用に関する議論が展開されました。今さんは国交省として注目している先進事例について、こう語ります。
「最近注目しているのは熱をもっとうまく使うこと。アムステルダムでは建物の熱を面的に融通するための計画を練っており、例えばデータセンターの熱を暖房の熱源として使う取り組みなども進んでいる。日本でもグラングリーン大阪で、耐水層蓄熱を施設間で使うことがすでに実現している」

これを受けて松田さんは「熱を効率的に使っていくことはこれからもっと広く取り組まれるべきこと」と共感を示しました。
一方、環境に関する取り組みをどう伝えるかという観点から、若い世代の意識についても議論が及びました。

赤荻さんはZ世代の環境意識について「たぶん良くしたいとは思っているが、何ができるか、何が変わるかがわからない」と説明しつつ、「こうすれば何度気温が下がる、などわかりやすい指標があると伝え合いやすい」と指摘。これに対し今さんは、日本の行政から出るメッセージはもっとわかりやすく発信されるべきとし、「まちづくりにおいての『熱の融通』と言ってもきっとみんな興味を持たないが、夏場の乾燥機のようなものをスケールを大きくして考えるような観点でうまく発信していく」というアイデアを語りました。
さらに『GREEN x EXPO2027』を通じてどのような体験を提供するか、という議論が展開されると、小山田さんは、環境技術の新しい訴求方法について、こう語ります。
「環境を規制側から語られるのはみんな嫌。タイではサステナブルなWonderfruit Festivalというフェスがある。ライフスタイル、アート、カルチャーと結びつき、その下にテクノロジーとして省エネがあるような。こういうのがいいよねと今後思ってもらえるようなビジョンを提示したい」

これに賛同した松田さんは「今年の夏は渋谷も暑かったが、GREEN x EXPO2027も夏なので暑い。気づけばそこに暑さ対策となる技術が入っているくらいの感じがいい」と述べました。
また、若者が緑に触れる機会をどう創出するかという議論も交わされました。赤荻さんは「小学生の頃にトマトを育てたように高校生でも緑に愛着を持ってもらうように野菜を育てるべき」と提案。松田さんは「体験してもらうことをすればいい。クールスポットと一緒に芋緑化をやったがそこに行けば実感する。その実感が省エネへの行動変容につながっていく」と体験の重要性を強調しました。檜前さんは「映えないと若い人は入ってこない。ダイキンは若い人には映えていない。どうやったら映えるか若い人に聞きたい」と率直に語り、若者世代の感性を取り込む必要性を示しました。

トークセッションの最後には、来年に向けてそれぞれの立場から抱負が語られました。赤荻さんは「学校の生徒などに“渋グリ”の活動を伝えるなどできることからやっていく」と表明。小山田さんは「定量的にどれくらいコストダウンできるかを提示できるとグリーンビジネスも盛り上がってくる」と指摘しました。今さんは「“緑の室外機”が広がることへの期待と、楽しそうに取り組みを伝える渋谷らしい発信に期待する」、檜前さんは「継続的に“渋グリ”に関わって意見を吸収したい」と語り、松田さんは「今日出たことはまだ妄想だからしっかり構想にしていく」と今後の取り組みへの決意を語り、トークセッションを締め括りました。
環境を「規制」として語るのではなく、気づけば暑さ対策技術に自然と触れているような体験として訴求する。こうした一般市民にも伝わりやすいアプローチにより、渋谷グリーンシフトプロジェクトは単なる環境対策を超えた取り組みへと進化していきます。そのためにも産官学民が引き続き連携し、定量的な効果検証とわかりやすいメッセージ発信を重ねながら、渋谷から世界へと展開する都市の緑化のモデルケースが構築されていくことに期待がかかります。


























