▼ アーカイブ動画はこちら ▼
暑い夏、街で快適に過ごすには?コミュニティ全体で取り組む暑さ対策と節電の未来
SIW DIALOG|コミュニティで取り組む夏の節電
日付:10.28 (火)
時間:14:10 – 15:10
場所:渋谷区役所 15階
<登壇>
– ダイキン工業株式会社 設備営業部 課長
駒井諒子
– 渋谷公園通商店街振興組合 副理事長
早川聡彦
– 株式会社オープン・エー 共同創業者 / クリエイティブディレクター
大橋一隆
– 渋谷区 産業観光文化部長
加藤博是
– 一般社団法人渋谷未来デザイン プロデューサー
野中瑛里子

「コミュニティで取り組む夏の節電」では、ダイキン工業の駒井諒子さん、渋谷公園通商店街の早川聡彦さん、オープン・エーの大橋一隆さん、渋谷区の加藤博是さん、渋谷未来デザインの野中瑛里子が登壇。都市部のヒートアイランド現象や地球温暖化による高温化が深刻化する中、SHIBUYA GREEN SHIFT PROJECTで得られた知見をもとに、街全体でどのように暑さ対策と節電に取り組めるのかを議論しました。

渋谷で実際に行われている取り組みとして、早川さんは、公園通り商店街で開催している「クールダウン公園通り」について説明。打ち水と浴衣着付け体験を通じて日本文化を発信しながら暑さ対策を実施しているこのイベントでは、ダイキンの協力によりミストを設置しています。駒井さんは、プチ公園通りでの検証結果を報告。ミストで約6度弱、その後の打ち水でさらに2.5度、合計7〜8度の温度低下が確認されたと説明しました。また、駒井さんは北谷公園でのクールスポット創出についても報告。屋外型空調機とミストを設置した結果、WBGT(暑さ指数)が28以上の危険な暑さになる状況が79〜80%から4〜5%に減少し、クールスポットがあるエリアの滞在者数が約2倍に増加したと語りました。

野中は「デジタルとアナログのマージ」の重要性を指摘。「打ち水という伝統的な手法と、データ測定による効果検証を組み合わせることで、これからの都市設計に活かせる」と語りました。駒井さんは「体感だけでなく、何度下がったか、消費電力がどれだけ変わったかという数字で見せることで、取り組みの価値が明確になる」と応じ、データ活用の意義を強調しました。

話題は「街の経済と暑さ対策の両立」というテーマへ。オーバーツーリズムで混雑する渋谷で、屋外でも安全に快適に過ごすにはどうすればよいのか。大橋さんは「散歩アプリでは今どこが日陰かを知らせる機能がある。そういったものが実際に今いる街の情報とリンクしながら楽しめる仕組みがあれば、普段通らない街の風景を発見することにもつながる。ネガティブをポジティブに捉える仕組みが必要だ」と提案しました。

早川さんは実例を挙げながら「夏の暑い日にJRに乗る時は、神南から渋谷駅に行くよりも代々木公園経由で原宿に行く方が坂もなく涼しい。そういう日陰がある場所を街にどれだけ作れるかが重要」と述べました。また、公園通り商店会では年に1つずつベンチを設置し、テイクアウト店の前に休憩スポットを増やす取り組みを行なっていますが、そこをクールスポットにするというアイデアも提案しました。
一方、駒井さんは企業の視点からこう指摘します。
「暑いとうろうろ歩き回る人が減っている。アプリで木陰やクールスポットを表示し、人流分析もできれば、企業も価値を感じる。渋谷の魅力的なスポットを紹介しながら、うまく人を巻き込める」

加藤さんは行政の立場から「インバウンド客は渋谷駅前以外はあまり知らない。夏の暑い日でも街の回遊性を高めながら、渋谷の滞在時間をうまく伸ばしていく。そういったところで街の経済も活性化してくる」と語りました。
また、暑い昼間から時間をずらすだけで快適に過ごせるという発想「ナイトシフト」について、大橋さんは、グラングリーン大阪でのナイトパーク実証実験を例に挙げてこう語ります。
「最近はお酒を飲まない若者も多い中で、飲み屋でずっと過ごすよりは、食事だけしてその後カラオケなど飲食店以外の場所へ行くといった遊び方が増えている。そしてその選択肢の一つに公園も挙げられる。実際グラングリーン大阪を見ていると、芝生で若者たちが転がりながら写真を撮っている。チルしている風景をSNSに投稿したいという欲求につながっているようだ」
駒井さんは「サマータイムのように夕方からの活動が増えると日中の活動も変わる。カンカン照りの昼に外を冷やすのは難しいが、夕方なら『ゆる冷や』しやすい」と提案。早川さんは「打ち水だけでなく盆踊りなど、夜のイベントを渋谷区全体で情報共有して回遊性を高めたい。朝活もいい。月に1回、朝走りながらゴミ拾いをしているが、午前8時前なら意外と涼しいんです」と、時間帯をずらした活動の可能性を語りました。
最後に大橋さんは「渋谷区でも実証実験など一緒にできたら嬉しい」と今後の連携に期待を寄せ、早川さんは「公園通りを渋谷駅と代々木公園をつなぐ緑の参道にするという目標に取り組んでいる」と具体的な展望を語りました。駒井さんは「機能的な街づくりだけでなく、余白をのこした空間に感じる魅力を大切にする街が増えていくといい」、早川さんは「今日出たアイデアは渋谷区として役にたつ」と述べました。
打ち水のような昔からの生活の知恵から最新のデータ活用、ナイトシフトなど、このセッションで語られた取り組みやアイデアが結びつくことで、渋谷発の新しいコミュニティ主導の暑さ対策と節電の取り組みが前進していくことでしょう。


























